通訳案内業(ガイド)とは、外国人を日本各地へ案内し、文化や伝統、生活習慣などを外国語を使って紹介するという仕事です。通訳ならわかるけど、通訳ガイドってどんな仕事をするんだろうと思った人がいるかもしれません。確かに「通訳」と付いているので、通訳者と混同しがちです。通訳者は人の言葉を忠実に訳すといういわば受け身の仕事なのに対し、通訳ガイドは自分で言うべきことを考えなくてはならないという点で大きな違いがあります。
もっとも、観光地を案内するだけでなく、旅行スケジュールの管理、宿泊先の確認、荷物の管理、買い物のアドバイスといった業務も、仕事のかなりの割合を占めています。旅行には思わぬハプニングがつきものです。交通渋滞、迷子、忘れ物、病気…。どんなときにも慌てず、大事に至らないように処理する能力が必要とされます。
Dig, dig, shoulder, shoulder, push, push, back, back, open, one, two, three....これ、なんだかわかりますか? 実は、炭坑節の振り付けを英語で説明したものなのです。ホテルの宴会などで炭坑節の曲が流れたら、ガイドは外人客に踊らせるばかりでなく、自分から率先して踊るぐらいでなくてはいけません。この仕事はサービス業(接客業)でもあるので、お客が喜ぶようなエンターテイナーの精神をもつことも大切なのです。
いろいろと気苦労もありますが、いろいろなところへ行けて、いろいろな人に会えるのはやっぱり楽しいことです。日本の印象はガイド次第ということも多く、民間外交官といわれるのはそのためです。 |